昨年12月のこと。
BMW i8のデモカーをラッピング前とラッピング後で2度大阪で撮影をした。
いつもはゲリラ的な撮影で終わっていたけれど、この時ばかりは違った。
というのはなんせあのi8であり、世界で初めてのモディファイドカーということもあり、クライアント様にとっては代表作になること間違いなかった。そして僕にとっても代表作になることは明白だった。
当初、担当者との打ち合わせでEVOi8(ラッピング前)は白のボディでクリーンなイメージを持たせ、パーツのディテールを出すということでロケ地は日中、そして某マリーナで行われることになった。
運良く当日の天気はピーカンでも雨でもなく湿気を含んだ雲が多少かかっていて、クルマのイメージと背景はまさに言うこと無しの状況だ。青い空と白い雲がEVOi8のボディカラーと相成って、これも巡り合わせかなと感じた。
気をつけなければならなかったのは日本的な要素を排除すること。クルマのディテールを見てもらうのには背景が勝ってはならない。無論背景が勝るようなクルマではないが。。そういった意味ではEVOi8は撮りやすかったかもしれない。難しいのはどこから撮っても絵になってしまうので、その中でも魅せる絵を探しだすことだった。
そして走行撮影。高速道路で並走しての撮影はカブリオレの後部座席から身を乗り出してのショット。この日夕方から寒気がやってきて、橋の上ではカブリオレである条件と猛烈な風で息苦しくなるような環境化。あまり知られていないことだけど、フォトグラファーがシャッターを押す瞬間というのは必ず息をとめる。その昔呼吸器系に障害が出た写真家がある本で書いていたのを覚えている。話がそれたが、そんな環境でのもと僕は連射の撮影もありずっと息を凝らして臨んだ。より臨場感を出すために手ぶれ覚悟でシャッタースピードはなるべく抑えた。並走車とi8の距離感も絶妙だった。
かくして第一回目の撮影となるEVOi8は予想よりも良い仕上がりをみせたのだった。
しかしこの後、EVO CYBeR eDITION(ラッピング後)の撮影には最大の難関が待っていた‥‥。
続 BMW i8 撮影秘話 に続く‥